〔弁護士 北岡秀晃〕
新しい法律事務所の名称を「古都の風法律事務所」と名付けました。地名に基づく「高天町法律事務所」などというあまり工夫のない案もありましたが、私が提唱した「古都の風」に決まりました。
「古都」という文字を使った法律事務所が京都あたりにないかと心配しましたが、意外となかったようです。また、「風」を使った法律事務所は、「すず風」「森の風」「四季の風」「風薫る」などそれなりに各地にあります。オープンする前に、他の人に先に「古都の風」を使われたらどうしようと心配もしましたが、全くのとりこし苦労だったようです。
私が27年間所属した奈良合同法律事務所では、開設20周年となった1997年、記念誌を製作しました。そのタイトルが「古都を吹く風」、副題が「激しくあたたかくそしてさわやかに」でした。実は私の発案によるもので、副題は当初「時に激しく、時に温かく、そしてさわやかに」だったと記憶していますが、事務局からの提案で「激しくあたたかかくそしてさわやかに」とすっきりした題名になりました。人々の権利を守るために、文字どおり、激しく、あたたかく、そしてさわやかな風のように活動する、そんな弁護士・法律事務所でありたいとの思いによるものでした。
独立し、新たな法律事務所を開設することになりましたが、その思いは変わりません。県民の権利や暮らしを守るために、時には激しく闘う。しかし、常にあたたかい思いやりの心を忘れず、そしてさわやかな風のように心地よさを感じさせる。そんな弁護士・法律事務所でありたいと思っています。そのため、「古都の風」という名称を新しい法律事務所の名前とした次第です。
耳で聞いただけの語感では、「古都の風」ではなく、「琴の風」=相撲部屋のように受け取る向きもあるようですが、誤解のないように。
古都奈良の地で生まれた法律事務所として、素朴ながら、ゆったりとした心地よい風を吹かせ続けたいと思います。