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  1. 交通事故
  2. 医療過誤
  3. 借地借家
  4. 相続・遺言
  5. 借金・過払い
  6. 離婚・DV
  7. 解雇・賃金・労災・過労死
  8. 境界
  9. 強制執行
  10. 刑事事件・少年事件
  11. 行政事件
  12. 成年後見・財産管理

1 交通事故

Q1)自動車を運転していて、交差点に入ったところ、右から飛び出てきた自転車と接触しました。私の車に傷がつき、相手も転んでけがをしたようでした。向こうは飛び出てきたことに責任を感じていたようで、私に「すみません」と謝っておりました。けがも軽そうでしたし、私の車の傷も軽かったので、私はそのまま現場から立ち去りました。ところが翌日警察が家に来て、ひき逃げだといい、逮捕されてしまいました。納得できません。

道路交通法72条では、単なる物損事故でも人損事故でも事故の届け出をすることになっています。
あなたの運転でけがをさせたのに報告しなかったので、道交法上の報告義務違反・救護義務違反、いわゆる「ひき逃げ」と言われたのです。刑法上も「自動車運転過失致傷罪」(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)に該当します。
どんなにけがが軽いように見えても、現場から110番通報しておきましょう。
ただ、賠償金(民事上の責任)については、相手の過失割合によって異なります。過失割合は事故状況によって決まります。
事故を起こしたら、あるいは事故に遭ったら、現場の状況を写真にとるなどして、事故状況を残しておくことが肝心です。
その上で、弁護士に相談してください。

Q2) 交通事故でけがをしたのですが、加害者が私の健康保険を使って治療して欲しいと言っています。健康保険を使うことはできるのですか?

A)交通事故による傷病の治療も、健康保険で治療することができます。
自己負担分は自賠責保険から払ってもらうことができます。

Q3)けがの治療を続けてきました。加害者の任意保険会社が治療費を払ってくれていたのですが、今月で打ち切ると言い出しました。これ以上、治療はできないのでしょうか。まだ、痛みはとれていません。

A)「症状固定」かどうかの問題です。「症状固定」とは、治療を続けても大幅な改善が見込めない状態です。主治医によく相談し、症状固定となっているか聞いてください。  症状固定ならば、後遺障害の等級が何級かの審査手続きを申し込みます。後遺障害の等級も決まれば、あなたの損害を算定し、加害者の任意保険会社と交渉することになります。
必ずしも、任意保険会社の一方的な通知に応じる必要はありませんので、弁護士にご相談ください。

2 医療過誤

Q)父が肺がんで死亡しました。肺がんとわかったときは既に手遅れした。父は毎年同じ病院で健康診断を受けていたのに、なぜ発見してくれなかったのでしょうか。納得できません。

A)毎年胸部レントゲン撮影をしていたのですから、何年前の検査で発見できたかどうかが問題になります。
過去の健診データを病院から入手して、調査する必要があります。
ただ、被害者やご家族は、通常、医療の専門家ではありませんので、データの入手や調査などを、ご自分で行うのは大変困難でしょう。
早めに弁護士に相談してください。

3 借地借家

Q1)賃料の値上げ
家主から一方的に、来月から賃料を値上げすると言われました。どうすればいいのでしょうか。

A)家賃の増減額を一方的に決めることはできません。貸主と借主が協議することが必要です。
協議でまとまらなければ、簡易裁判所の調停や弁護士会の仲裁センターで話合いをしましょう。それでも合意できなければ、訴訟で解決することになります。

なお、もし貸主が、増額した家賃でないと、毎月の家賃を受け取らないと言ったときでも、住んでいる以上、家賃の支払義務があります。家主が家賃を受け取ってくれなければ、借主は、法務局に行って家賃を供託してください。

Q2)敷金と修繕費用
住んでいた部屋(借家)を出ようと思い、大家さんに連絡したら、「壁紙、畳、障子を替える費用を支払え」「クリーニング代を払え」と言われましたが、払わないといけませんか。

A) 支払う必要はありません。賃貸物件を修繕するのは家主の義務です。普通に暮らしていてできた汚れやキズ(通常損耗)や古くなっていくにつれて出てくる傷み(経年変化)は家賃でカバーされているのです。典型的なものが畳やけ、襖・クロスの変色です。ペットによる柱のキズなど、当然予想された汚れやキズを越えた損傷を与えた場合には、平成10年3月に建設省(当時)が「賃貸住宅の原状回復をめぐるトラブル事例とガイドライン」を定めていますので参考にしてください。

Q3)明け渡し①
家主さんから「マンションに建て替えたいから出て行って欲しい」と言われました。素直に出なければならないのでしょうか。

A)借家人が賃料を払っており、借家人の義務を果たしている場合に、家主が借家人に明渡しを求めることができるのは、家主がどうしても自分でその家を使用しなければならない事情などの正当理由がある場合、とされています。
マンションに建て替えるという理由だけでは、この正当理由とは認められないでしょう。
あなたは家主の申し出を断ることができます。
明け渡しに応じる場合でも、立ち退き料の請求ができます。
金額についてはケースバイケースですので、ご相談下さい。

Q4)明け渡し②
借地に家を建てて暮らしていましたが、高齢になったので、借地を返して施設に入ろうと思っています。この場合、立ち退き料をもらうことはできるのでしょうか。

A)借地人の都合で借りていた土地を明け渡すのですから、立ち退き料はもらえません。
建物を撤去して更地にして地主に返すことになります。

4 相続・遺言

相続は、誰が相続人になるのか・相続分はいくらか・遺産はどれだけか・遺言をどう書けば良いのか、などなど、多岐にわたる注意しなければならないことがあります。ふだんから準備しておくと安心でしょう。お気軽にご相談ください。

Q1)この間、伯母(亡父の姉)が亡くなりました。遺産があるようですが、どうすれば相続できるのですか。 伯母には夫がいますが、子どもはいません。

A)伯母さんが遺言を書いていれば、それに従って相続することになります。
遺言がなければ、伯母さんの相続人全員で協議して遺産を分けることになります。伯母さんの相続人は、夫と、伯母さんのご両親です。法定相続分は、夫が2/3,ご両親が1/3です。ご両親がお二人とも既に亡くなっておられれば、夫と伯母さんの兄弟姉妹です。この場合の法定相続分は、夫が3/4、兄弟姉妹が1/4です。兄弟姉妹が既に亡くなっておられたら、その子が代襲相続人として相続します。

Q2)遺産を分けるときは必ず全員で協議することが必要でしょうか。話し合いに全く応じない人がいたどうすればよいのですか。

A)必ず全員で協議する事が必要です。協議の場に出てこないから、相続させないということはできません。どうしても協議に応じてもらえなければ、家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります。

Q3)相続人の一人が行方不明で連絡がとれません。

A)行方不明の人については、不在者財産管理人を家庭裁判所に選任してもらい、その人と協議することになります。

Q4)遺産の分け方にきまりはあるのですか。

A)相続人には法定相続分が決められていますが、全員が合意すれば、法定相続分以外の分け方でもかまいません。しかし、多数決で決めることはできません。遺産分割協議をスムーズに進めるためには、法定相続分を念頭において協議するべきでしょう。

Q5)家庭裁判所の調停とはどのようなものですか?

A)裁判所が相続人全員を呼び出して、調停委員を交えて話合いをします。調停がまとまらなければ、審判になって、裁判官が決めます。だいたい月1回程度のペースで進められます。

Q6)遺留分とははなんですか?

A)遺産を一定割合で取得できる権利のことです。
遺言に、誰になにを相続させるかを書いても構わないですが、兄弟姉妹を除いた相続人には遺留分がありますので、その割合に応じた相続ができなければ、遺留分を侵害したことになります。遺留分を持っている相続人は、侵害した人(たくさんもらった人)に対して「遺留分侵害額請求」を行います。この請求は、以前は「遺留分減殺請求」と呼ばれたものですが、法律の改正で権利の内容が変わったことから、呼び名が変わりました。ただし、改正前に生じた相続については、以前の遺留分減殺請求となります。
遺留分は、相続人が親のみの場合は法定相続分の3分の1、配偶者や子どもの場合は法定相続分の2分の1です。
遺留分侵害額請求は、相続の開始及び遺留分を侵害されたことを知ったときから1年以内に行わなければなりませんので、注意してください。

Q7)遺言の書き方を教えてください。

A)大きく分けて、遺言には、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。
自筆証書遺言は、全文自筆で書くこと・日付があること・押印があること、が必要です。ただし、財産目録についてだけは自筆でなくてもかまいません(ただし、自筆でないときは財産目録の各ページに署名押印をすることが必要です)。また、遺言書保管制度を利用していない場合は、死亡後に家庭裁判所で検認という手続きをすることも必要です。
公正証書遺言は、公証人が書いてくれますが、証人が2名必要です。検認は不要です。
費用については、自筆証書遺言は無料ですが、公正証書遺言は有料です。
一長一短がありますので、ご相談ください。

5 借金・過払い

Q1)借金
かなり以前にお金を借りたのですが、返済と新たな借り入れを繰り返していて、いつまで経っても借金の残高が減りません。何かいい方法はありませんか。

A)かなり以前の借金ですと、お金を借りた際の利率が高く、利息制限法という法律に違反している場合があります。その場合、過去の取引に遡って、適法な金利に直して計算することで、債務の残高が減ったり、場合によってはお金が返ってきたりすることもあります(過払い金)。
ただ、具体的に、いくら残っているか、あるいはお金が返ってくるかは、あなたの借り入れや返済状況で変わってきますので、借入先がわかる資料をご用意してご相談ください。

Q2)過払い
返済したお金が返ってくることがあると聞いたのですが本当ですか。

A)過去に借り入れた際の利率が、利息制限法という法律に定められた上限金利よりも高い場合、返済したお金が返ってくる場合があります。ただし、完済後10年が経過すると、時効になり返ってこない場合がありますので、お早めにご相談ください。

Q3)ヤミ金
お金に困ってヤミ金から高利のお金を借りてしまいました。毎日取り立てが厳しくどうにもなりません。助かる方法はありませんか。

A)すぐにご相談ください。弁護士が介入したことで請求が止まることも多いです。また、利率によっては、今後の返済を行わずに解決することもあります。

Q4)会社の再建
会社の経営者です。一定の売上はあるのですが、債務が多く、そのために経営が破綻しそうです。どうにかする方法はないでしょうか。

A)債務の返済を工夫すれば会社が立ち直るという場合、各債権者との交渉で債務の返済計画を見直す方法もあります。
また、民事再生手続きという手続や、会社更生手続といった、再建を目指す強力な手続もあります。いずれの方法が良いかは皆様のご事情により異なりますので、再建を諦める前に是非ご相談ください。

6 離婚・DV

離婚に関連して、慰謝料、財産分与、年金分割などの問題もあります。弁護士にご相談ください。

Q1)永年、夫の身勝手な態度に耐えてきましたが、もう限界です。離婚したいと思っていますが、夫は、私のわがままだと言って、離婚に応じてくれません。離婚できるでしょうか。

A)離婚には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚などがあります。ご相談の場合、まず、夫とじっくり話し合ってみることです。
それでも夫が離婚に応じてくれない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります。調停は、二人の間に調停委員が入って、うまく話し合いができるようにアドバイスしてくれます。
調停でもまとまらなかったら、家庭裁判所に裁判を提起するしかありません。裁判離婚とは、判決で強制的に離婚させる制度です。裁判では、法定の離婚原因が備わっているかを判断されます。法定の離婚原因とは、
(1) 不貞行為
(2) 悪意の遺棄
(3) 3年以上の生死不明
(4) 強度の精神病で回復の見込みがないとき
(5) その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
が規定されています(民法770条1項)。
ご相談のケースでは、「(5) その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」にあたるかどうかが問題になるでしょう。
性格の不一致と言っても、さまざまなトラブルが積み重なり、もはや夫婦関係を修復するのは不可能といえるような場合には、夫婦関係が破綻していると判断され、離婚が認められる可能性もあります。

Q2)別居中の生活費
離婚を前提として別居中です。私はパートで月5万円くらいしか収入がなく、子ども2人の塾の費用も苦しいです。夫は会社員で月40万円はもらっていますが、私が実家で暮らしているからと言って、生活費を払ってくれません。いくらかでも払ってもらえないでしょうか。

A)別居中でも夫婦の間にはお互いに扶養義務があります。夫には、あなたと子どもの生活費を負担する義務があります(「婚姻費用の分担」と言います)。
婚姻費用の金額について当事者間で話し合いがまとまらなかった場合、家庭裁判所の調停あるいは審判で養育費を決定することができます。裁判所では、一般的な基準が設けられており、双方の収入をもとに決定することになります。
なお、実家で暮らしていることは婚姻費用の算定には無関係です。
※婚姻費用算定表→https://www.courts.go.jp/tokyo-f/vc-files/tokyo-f/file/santeihyo.pdf

Q3)子どもの親権者
離婚を前提として別居中です。未成年の子どもがいます。今は、私(父親)と暮らしています。私は子どもの親権者として認めてもらえるでしょうか?

A)親権者を決めなければ離婚できません。どちらが親権者になるかを当事者の話し合いでは決められない場合、調停や裁判で親権者を定めることになります。
裁判所は、子の利益を最優先に考え、子の年齢、当事者双方の経済的状況や生活環境などを総合的に検討して判断します。
子どもの意思を把握するために、裁判所が子どもの代理人を選任することもあります。代理人となれるのは弁護士に限られます。その代理人が子どもとよく話し合って、子どもの意見を述べたりします。

Q4)養育費
養育費はいくら払えばよいのですか?

A)離婚後、親権者とならなかった親も、子の親である事実に変わりはないので、未成年(未成熟)の子の養育について責任を負います。
養育費の金額について当事者間で話し合いがまとまらなかった場合、調停あるいは審判で養育費を決定することができます。裁判所では、一般的な基準が設けられており、双方の収入をもとに決定することになります。子に持病があって高額の医療費が必要である場合などは、具体的な事情も考慮されます。
※養育費算定表→https://www.courts.go.jp/tokyo-f/vc-files/tokyo-f/file/santeihyo.pdf

Q5)DV
夫が暴力をふるうので、怖くて離婚を言い出せません。どうすれば安全に離婚ができますか?

A)「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(いわゆるDV保護法)」が2001年10月に施行されました。「配偶者暴力相談支援センター」を各都道府県に設置することになり、DV被害者の相談や一時保護をしてくれることになっています。
また、配偶者(元配偶者や事実婚も含みます)から重大な危害を加えられる恐れがある場合は、地方裁判所に保護命令を申し立てることができます。加害者が被害者と接触しないよう、半年間、被害者、被害者が連れて出た子、親族に近づくことや、電話やメールを送付することなどを制限したり、被害者が荷物を持ち出せるよう、加害者に対し2カ月間、同居をしていた住居から退去することを求めることができます。

Q6)一緒に暮らしていな子との面会交流
なんとか離婚できそうでほっとしているところです。でも、夫は子どもに会わせろとしつこく連絡してきます。私は、離婚する以上は、きっぱりと縁を切りたいと思っています。会わせないといけないものでしょうか。

A)親の別居や離婚で片方の親と一緒に暮らせなくなったとしても、面会交流を行うことで、子どもは親の愛情を感じることができると考えられています。
どのような方法で交流することが子どもにとって良いことなのか、夫婦でじっくりと話し合う必要があります。
夫婦だけで合意ができない場合は、家庭裁判所の調停あるいは審判で決めることもできます。
面会交流を支援する団体もいくつかあります。
面会交流は子どもの権利ですので、親の都合で決めることはできません。子どもの成長にどうすれば良いかを考えてください。

7 解雇・賃金・労災・過労死

Q1)解雇その1
会社が業績不振に陥っています。解雇されますか?

A)「会社の業績がよくないので、やめてほしい」と言われるケースが、最近、増えています。いわゆる整理解雇ですが、多くの裁判がたたかわれ、今日では、整理解雇については、①解雇の高度の必要性があること、②使用者が解雇を避ける努力を尽くしたこと、③解雇の人選基準と適用が合理的であること、④労働者・労働組合と十分な協議をおこなったこと、これらの4つの要件を満たさない限り、「客観的な合理的な理由」を欠くとして解雇は無効とされます。

Q2)解雇その2
解雇通告を受けた時には、どのように対応したらよいですか?

A)すぐに弁護士にご相談ください。一番大事なことは、納得できない時は、決して自らやめるという発言をしないことです。退職届は絶対に出さないでください。会社から退職願いの書面にサインを求められても応じないでください。

Q3)解雇その3
解雇を争うときは、どうすればよいですか? 今更会社に戻るつもりはありませんが、解雇に納得はできません。

A)職場復帰を前提としない解決ももちろん可能です。
裁判前に交渉で解決する方法、裁判手続きを利用する場合も、仮処分手続、本裁判、労働審判など多様なやり方があります。
当事務所に、安心してご相談ください。

Q4)賃金その1(最低賃金)
アルバイトをしていますが、時給がわずか600円です。
低すぎると思いますが、法的な規制はないのでしょうか。

A)最低賃金法という法律で規制されています。奈良県の地域別最低賃金は時給740円(平成27年10月7日発効)。これよりも少ない賃金は違法であり、使用者(会社)は、最低賃金の不足額を支払わなければなりません。罰金を科されることもあります。

Q5)賃金その2(割増賃金)
残業しても、深夜に働いても、休日出勤しても、時間給が変わらないのですが、問題はないのでしょうか。

A)労働基準法37条に違反しています。週に40時間、1日に8時間をこえる労働をした場合には、会社は、労働者に対して、原則として、25パーセント増しの割増賃金を支払わなければなりません。残業労働時間が月に60時間をこえると、割増率は50パーセントとなります。ただし、中小企業の場合は、当面、適用が猶予されています。
もっとも月に残業が60時間を超えると、過労死の危険があり、十分な注意が必要です。
また、午後10時から午前5時までの深夜時間帯の労働に対しては25パーセント増しの深夜手当を支払う必要があります。残業労働が深夜時間に及んだときは、割増率は25+25の50パーセントとなります。
休日の労働は35パーセントの割増賃金を請求でき、休日労働が深夜に及んだときは、その時間帯の割増率は60パーセントです。

Q6)賃金その3(割増賃金請求の方法)
会社が割増賃金を払ってくれない時は、どうしたらよいでしょうか。

A)会社が支払に応じないときは、裁判に訴えることが可能で、その場合には、裁判所は未払割増賃金の支払いの他に、同額の付加金の支払いを会社に対して命じることになります(労働基準法114条)。
請求できるのは3年分のみです。早急にご相談ください。

Q7)賃金その4(名ばかり管理職)
管理職になると、残業代などは請求できないという人がいますが、本当でしょうか。

A)労働基準法41条には、管理監督者には、割増賃金の規定は適用されないとありますが、人事権や経営方針の決定権限もなく、わずかな管理職手当が支給されるだけの「名ばかり管理職」は管理管理職にはあたらず、残業手当などを請求できます。マクドナルドの店長が提起した残業代金の請求訴訟が裁判所において認められたことは有名です。

Q8)賃金その5(まとめ)
賃金などについて、日頃から注意しておくべきことを助言してください。

A)給料明細書を最低でも過去3年間は保管すること、毎日の労働時間、何時から何時まで働いのたか、休憩時間、残業時間を、手帳にきちんとメモしておくことが大事です。

Q9)労災事故
仕事中にけがをしたので、現在、休業して治療中です。給料はどうなるのでしょうか? もし、後遺障害が残ったら、どのような補償があるのでしょうか?

A)仕事中の事故ですので、治療費は労災保険から療養補償給付が受けられます。
休んでいる間の給与は、医師が休業が必要と認めた場合、休業4日目から1日につき過去3ヶ月分の平均賃金の60%の休業補償と20%の休業特別支給金(よって、合計80%)が補償されます。休業を始めた最初の3日間は、事業主から平均賃金の60%が支給されることになっています。
後遺障害が残った場合は、その等級に応じて補償が受けられます。
請求の手続は、通常は事業主の担当者がしてくれますが、してくれない場合はあなた自身ですることになります。労働基準監督署に行けば、請求用紙をもらえます。事業主は手続に協力・助力する義務がありますが、もし協力してくれなくても、労基署は対応してくれます。
なお、労災保険における給付を受ける権利は、時効によって消滅しますので、気をつけて下さい。

Q10)過労死
夫は、ファミリーレストランのコックでしたが、休みをほとんどもらえず働かされ、とうとう自宅で倒れて亡くなりました。労災になるのでしょうか。

A)長時間残業の連続で休みが取れず、過労で心筋梗塞や脳出血を発症して死亡したときは、厚生労働省労働基準局長が行政通達として「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く)の認定基準」(平成13年12月12日基発第1063号)を定めています。
この認定基準は、心筋梗塞や脳出血を発症した場合に労災保険の給付を得るには、次のⅠからⅢのいずれかによって、発症前に業務による明らかな過重負荷を受けたという要件を満たす必要があるとしています。
Ⅰ 発症直前から前日までの間において、発症状態を時間的及び場所的に明確にしうる異常は出来事(業務に関連する異常な出来事に限る)に遭遇したこと
Ⅱ 発症に近接した時期において、特に過重な業務に就労したこと(短期間の過重業務)
Ⅲ 発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したこと

具体的にどのような状況が上記Ⅰ~Ⅲにあてはまるかどうかや、労災申請についての準備については、専門知識を有する弁護士に相談して下さい。

8 境界

Q)隣りが塀の改修工事をしていますが、新しい塀が私の土地の方に侵入しています。そのことを隣りに言うと、そこは自分の土地だと言うのです。公図を見ても境界はよくわかりません。どうすれば良いでしょうか?

A)全ての土地には、一筆すなわち一区画ごとに地番がついており、地番と地番の境を「境界」と言います。境界は、国の作成する土地登記簿や附属地図(公図)等によって公的に設定された線ですので、私人間で自由に設定したり、変更したりすることはできません。
ただし、当事者間の合意があれば、後日争いになった場合、境界判定の重要な資料になりますので、当事者間で充分な協議を尽くすことも必要です。
境界を判断する資料としては、公図、現況の図面、境界石等の標識の有無、境界付近の土地の占有状況、公簿面積と実測面積との差異等があります。
新しい塀の工事が始まっているようですので、できるだけ早く弁護士に相談して下さい。

9 強制執行

Q1)強制執行とは何ですか。

A)たとえば、他人に貸したお金を返してくれない場合、裁判をすると、裁判所は「被告は原告に対し、金○○円を支払え。」という判決を出します。
しかし、この判決が出ても、払わない人はいます。裁判所は取り立ててくれません。
そこで、相手が預金を持っていればその預金を差し押さえて強制的に払ってもらうことができます。この「差し押さえて強制的に支払ってもらう。」というのが強制執行の一例です。

Q2)強制執行はお金の支払いだけにしか使えないのですか。

A)いろいろな場面で使うことができます。
「不動産を明け渡してもらう」とか、「動産を引き渡してもらう」などにも使えます。「こどもとの面会を実施するため」にも使えます。
詳しいことはご相談ください。

10 刑事事件・少年事件

国や地方公共団体のやることに間違いはないので裁判をしても勝てないのではないか、と考えがちですが、よく検討すれば、国や地方公共団体が間違っていることもあります。国や地方公共団体のやったことでもおかしいと感じた場合にはご相談ください。

Q1) 家族や知人が逮捕されました。どうすればいいでしょう。

A)とにかくすぐに当番弁護士を依頼してください(→奈良弁護士会 当番弁護士のページ)。
そして、1日でも早く弁護人を選任することです。
逮捕の時間は最大72時間ですが、その間に検察官から勾留請求がなされ裁判所がこれを認めると、原則として10日間勾留されます。さらに勾留延長(10日以内)されることもありますので、最長23日間も警察に留置されるおそれがあります。
厳しい取調べでやってもいないのに認めてしまう人はたくさんいます。実際に犯罪を起こしてしまった人でも、とても不安な気持ちになります。逮捕されてしまった人の言い分を聞いてあげられるのは弁護人だけです。

Q2)逮捕されたら、家族に会うことができますか。

A)事件の内容によっては、弁護士以外の者との面会が禁止されることがあります。
面会禁止がなされなければ、家族が会うことは可能ですし、面会禁止がある場合でも下着類や少しのお金などを差し入れることはできます。
家族との面会が禁止される場合でも、弁護士との面会は可能です。弁護士は、勾留された方と面会し、アドバイスをしたり、違法な取り調べがなされないよう活動します。

Q3)保釈という制度があると聞きましたが。

A)起訴された場合には、保釈を請求することができます。
保釈とは、一定のお金(保釈保証金)を裁判所に預けて、裁判が終わるまで外に出られる制度です(事案の重大性や常習性などで必ず認められるとは限りません)。保釈保証金は、最低でも150万円ほど求められるのが実情ですが、1日も早く保釈請求をお望みの方は、弁護士に相談してください。

Q4)高校生の息子が、盗まれたオートバイに乗っていたとして、警察に逮捕されました。息子はどうなるのでしょうか。

A)逮捕は最大72時間ですが、その間に検察官から勾留請求がなされ裁判所がこれを認めると、原則として10日間勾留されます。さらに、例外的に勾留延長(最大10日間)されることもあります。
この間に、家庭裁判所が息子さんを少年鑑別所に送ること(観護措置)を決定すると、息子さんは最大4週間、少年鑑別所にとどめ置かれることになります。したがって、息子さんの身体拘束期間は、最大約2ヶ月間に及ぶ場合があります。

Q5)少年鑑別所で息子に面会することはできますか。

A)面会することができます(ただし、平日の昼間のみ)。また、家族や少年から依頼を受けた弁護士(付添人)であれば、すぐに息子さんに面会することができます。

Q6)息子に対する処分はどのような手続で決められるのですか。

A)家庭裁判所が、息子さんの事件について審判を行うことを決定した場合、少年審判が行われることになります。少年審判は、刑事事件とは異なり、刑罰を与えるための手続ではなく、少年が更生するために必要な処遇を行う手続です。家庭裁判所は、調査官が少年自身・学校・家族などに対して調査を行った上で、少年が更生するために最も適切な処遇を決定することになります。
依頼を受けた弁護士は「付添人」として少年審判に関わります。付添人は、審判において少年の考えを代弁するだけでなく、被害者との示談交渉や、少年への助言・指導を行って少年の支えとなります。弁護士が付添人となることで、少年にとって最も適切な処遇決定を期待することができます。

11 行政事件

Q1)県の公金の使い方がおかしいと思うので住民訴訟を起こしたいのですが、いきなり裁判をはじめたら良いのですか。

A)地方自治法上、まず最初に住民監査請求をしなければならないとされています。ですから、いきなり裁判を始めることはできません。

Q2)交通違反をして免許取消しになりそうです。ただ、私にも言い分があり納得いきません。

A)行政処分が出る前に聴聞や弁明書の提出の機会が与えられ、その場で自分の主張をすることができるときがあります。また、行政不服審査法という法律により行政不服審査という方法もあります。このように、行政訴訟以外の方法もあります。
どういった場合にどういった手続によるのが一番良いのかは具体的なご相談内容によりますので、一度ご相談ください。

12 成年後見・財産管理

Q1)「成年後見」とは何ですか?

A)成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分でない方(ここでは「本人」といいます。)について、本人の権利を守る援助者を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度です。
判断能力が不十分といっても、常に自分で判断して法律行為をすることができないくらいの人から、大体のことは自分で判断できるが、難しいことについては援助が必要という方まで、その程度は様々です。その程度によって、援助者の権限も、補助、保佐、成年後見人と三段階に分かれています。

Q2)任意後見
年をとって認知症などになったときに自分を助けてくれる人を、今から決めておくことはできますか。

A)今は判断できるけれど、将来判断能力が本格的に衰えた場合に備えて、予め自分で財産管理等を援助してもらう人を決めておくこともできます。任意後見契約と言います。公正証書で契約しなければならないなど、法律で決められています。詳しくはご相談ください。

Q3)財産管理
認知症ではありませんが、足が悪くて外出が不自由です。銀行に行くのが大変ですので、誰か信用できる人に私の財産を管理して欲しいのですが、こういう場合も後見人を選任してくれるのでしょうか。

A)判断能力が衰えていなければ、後見制度は使えません。ご自身で信用できる人を探し、その人と財産管理契約を結ぶことになります。お心当たりがない場合、当事務所がお手伝いさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

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