〔弁護士 山﨑靖子〕

「インフォームドコンセント」・・・直訳すると「説明と合意」ですが、「正しい情報を得た上での合意」ということだそうです。

難しく言わなくても、病院で検査や治療を受けるとき、医師からこれからすることの説明を受けて、「同意書」(「私は説明に納得して、治療に同意します」とか書いている書類)にサインしたことのある人は多いと思います。

つい先日、腹部CTを撮りました。数年前、健康診断で引っかかって、年に2回くらい検査を受けるようにと言われたためです。エコー検査したり、CT撮影したり、血液検査したり。一応、事前に医師から、次回は●○▲の検査をします、と説明され、同意書にもサインをしています。CT検査とは何かとか、血液検査は何のためかとかいう説明はありませんが、医者がそういうなら、必要なんでしょう。素直に同意書にサインしてます。

問題は、値段。その日の検査は腹部CT+血液検査。精算機の画面に出た値段は「1万2880円」。焦った。財布の中味が脳裏をよぎった。入っていることを思い出して安堵し、支払いを済ませて帰宅した。

親に付き添われずに病院に行くようになって40年。この間、歯科の自費診療以外で事前に料金の説明を受けたことは、ただの一度も無い。なので、当然のことながら、診療費にあらかじめ同意したこともない。

インフォームドコンセントというなら、値段も提示して理解を求めるべきである。保険診療と言えども無料ではない。高額医療となって後日返金がある場合でも、患者は一時的に窓口で支払わないといけない。病院は、保険診療なので、病院側の裁量はなく、患者負担額の説明は不要と思っているかもしれないが、これからは、値段と効果を天秤にかける時代になっていくと思う。

さて振り返って、我が業界も費用がわかりにくいとよく言われます。事件は千差万別。型にはまった処理をするわけではないので、事件によって労力が異なります。でも、それをいいわけにせず、当事務所は、できる限りわかり易く料金を説明させていただきます。

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