〔弁護士 北岡秀晃〕
12月11日、奈良マラソンで初めてのフルマラソンに挑戦しました。練習でも走ったのはハーフ(21キロ)が最長でしたから、まさに未知の領域(=無謀)でした。
事務所から歩いて鴻池の陸上競技場に行くと、もの凄い人で、荷物を預けるのにも、トイレに行くにも長蛇の列。これには閉口しました。寒い朝でしたが、ストレッチをしたり、軽く走ったりして、スタート時刻を待ちます。
スタートは午前9時。花火が上がって、ランナーが一斉にスタートしたようですが、総勢で1万3000人、「J」という後ろから2番目のグループの私たちは、ほとんど動きません。実際にスタートを切ったのは、約10分後でした。
道路を走るのは実に爽快でした。しかも、沿道から、寒い中にもかかわらず当事務所の事務局や弁護士、法テラスの職員が幟を立てて応援してくれていたのには本当に感動しました。
奈良市内は快調で、1キロ6分台のペースで気持ちよく走れましたが、天理市に向け、山越えの上り坂に差し掛かったあたりから、太ももの後ろがつるような感覚が出てきました。そして、折り返しを過ぎ、25キロを過ぎたころからは膝が痛むようになってきました。それでも、歩いたり、走ったりを繰り返し、何とか35キロを過ぎましたが、両膝が痛く、ほとんど走れない状態となり、結局、38キロの関門(高畑の奈良教育大あたり)が閉鎖される14時25分の時点で、競技中止を宣告され、バスに回収されました。ちょうど37キロを過ぎたところ、ゴールまであと5キロというところでした。
完走できなかったという悔しさはありましたが、両膝が本当に痛くて、もう一歩も走れないというところまで頑張ったという気持ちもあります。「完敗」で、さばさばした感じでしょうか。
それにしても、頭が下がるのが、多くのスタッフ、ボランティアの方々です。寒い中、ランナーのためにいろんなことをしてくれ、沿道でも大きな声を掛けて応援してくれました。近所の人たちも、見ず知らずのランナーに声援を送ってくれましたし、アメなどを振る舞ってくれる方々もありました。30キロ過ぎあたりでは、住民の方々がエアーサロンパスを持って応援されており、私にも「どうぞ使って下さい」とエアーサロンパスを貸してくれました。回収バスに乗り込むときも、警備のおじさんが「ようここまで走った」と褒めてくれましたし、おばさんたちが拍手で私たちを送ってくれました。
本当にあたたかい人たちとふれ合えた1日でした。素晴らしい経験です。ありがとうございました。また、走りたいという気持ちがふくらんでいます。