〔弁護士 山﨑靖子〕
「王将」(1948年大映)
実在の棋士・坂田三吉(1870年~1946年)をモデルにした将棋の映画。ただし、ほぼ、フィクション。自分の名前もまともに書けないアホだけど将棋は天才的に強い「坂田三吉」の物語。
無学無教養な三吉が、長年の将棋修行と愛妻小春の献身によって人格者に成長していく、というストーリーです。
私はこの映画を30年ほど前に見ましたが、それ以来、将棋と言えば「王将」、将棋のタイトルと言えば「王将」、でした。そして、まともな社会人が関わる世界ではない思っていました。いわゆる「羽生世代」と言われるスマートな棋士を知るまでは。
「芸のためなら女房も泣かす」を地で行くようなお話です。将棋を全く知らなくても、楽しめます。
将棋の入門として必見の映画でしょう。
さて、入門編の次はこの映画↓
「聖(さとし)の青春」(2016年KADOKAWA)
「西の村山・東の羽生」と言われた天才棋士・村山聖の生涯を書いた大崎善生のノンフィクションを、松山ケンイチ主演で映画化。ネフローゼを患いながら将棋に没頭する村山聖の壮絶な人生の映画です。
20キロ以上体重を増やした松山ケンイチと羽生そっくりの東出昌大。どっちもすごい。将棋のルールも奨励会の制度も知らなくても、それなりに楽しめます。ただまあ、もう少し説明があった方が良かったのでは。
映画の半分くらいが対戦の様子かその解説。棋譜がわからないと話している内容がさっぱりわからない。
松山ケンイチの気迫は伝わってきます・・・。
さて、お正月は村山聖の棋譜を読みながら過ごしましょう。