〔弁護士 北岡秀晃〕

ちょうど総選挙の投票日だったが、期日前投票を済ませて、パンダを見るため、奥さんと南紀白浜に行った。
車の方が便利ではあったが、「飲み鉄」をするため、ビールを買って特急くろしおに乗る。
途中、紀伊田辺で下車し、世界遺産の闘鶏神社と南方熊楠顕彰館を訪ねた。

JR白浜駅から文字どおり2人だけの貸切状態の路線バスに乗って、今夜のお宿のある椿温泉へ。
20分ほど揺られて椿温泉のバス停で降りると、その前には廃業し廃墟となったホテルがあった。
温泉街などはなく、不安に思いながら海の方に歩いて行くと、今夜のお宿「海椿葉山」があった。
すべての客室のテラスは、海に面しており、夕刻には海に沈む夕日で赤く染まる。
波の音がBGMのようで、ゆったりとした時間を過ごすことができた。

6室のこじんまりした家庭的なお宿で、さらにコロナ禍のため3組に限定しているとのこと。
おかげで、お風呂も貸切状態のようで、客どおしが顔を合わせることもほとんどなかった。
食事は、新鮮な魚を使った料理で、温泉旅館のような食べきれない量ではなく、和歌山の地酒をたっぷりいただきながら完食することができた。
ちなみに、朝食も完食。
さほど高い料金でもなく、お勧めのお宿である。

翌日は、南紀白浜アドベンチャーワールドへ。
コロナ禍ではあったが、修学旅行や遠足のような団体もあり、結構にぎわっていた。
ここには7頭のジャイアントパンダがいるが、最も人気は「楓浜」(ふうひん)。
去年の11月22日に生まれた雌で、もまなく1歳になる。
可愛いを絵に描いたようなパンダで、お母さんの良浜(らうひん)とじゃれあって遊んでいた。
ちなみに、良浜は、2000年のアドベンチャーワールド生まれで、10頭のパンダを産み育ててきたベテランお母さんだそうである。
ほかのパンダたちはひたすら笹というか竹を食べ続けていたが、なんで竹なんぞ食べるようになったのか、不思議に思った。

アドベンチャーワールドには、パンダのほかにも肉食、草食の動物や海の動物たちも多数いる。
子どもが小さかったときに来て以来だったが、ライオンの迫力を感じたり、ゾウやサイを見てやっぱり大きいと思ったり、楽しい時間を過ごすことができた。

帰りは、JR白浜駅から、先頭車両がパンダの顔になっている「パンダくろしお」に乗って天王寺へ。
孫と自分のために買ったパンダのぬいぐるみや、「パンダ肉まん」のぬいぐるみなどパンダをいっぱい抱えて帰ってきた。
帰ってみると、月曜日の夕刊には、「自民が単独で安定多数上回る」「維新が躍進」「改憲勢力が3分の2以上」等の文字。
海と動物たちの世界に帰りたくなった。