〔弁護士 山﨑靖子〕
科学捜査官のライムは連続殺人事件の捜査中の事故で第四頸椎を損傷して四肢麻痺となり、首から上と左の薬指以外は動かすことができなくなった。事故後、自殺しか考えていなかったライムが捜査を依頼されて、PCを駆使して現場の微細証拠を分析し、犯人を割り出していく・・・・・というストーリーです。「究極のアームチェアディテクティブ(安楽椅子探偵)」と呼ばれています。
現在、11作(スキン・コレクター)まで出ています。
とにかくこのシリーズは外れがない。シリーズの途中は「マンネリか?」と思うこともありましたが7作目の「ウォッチメーカー」あたりから盛り返しました。
基本的に1話完結で、何度かのどんでん返しがあって最後に犯人が捕まりますので、設定を把握するために1作目(ボーンコレクター)を読んだ後はどれから読んでもかまわないのですが、ライムと他の登場人物との関係とか、ライムがリハビリや手術をどこまでするかとか悩みつつストーリーが進んでいきますので、順番通りに読んでいくことをお勧めします。
たぶん、年末には次の作品が出ますので、今から読み始めるたら年末の新刊に間に合いますよ。
(余談)犯行現場には必ず「微細証拠」が残されている、それをいかにして収集するかが事件解決の鍵・・・というのがストーリーの命題です。刑事事件を担当していますと、警察はここまで神経を使って証拠収集しているのかなあ、と思うことがたびたびあります。日本の警察もこんな風に捜査してくれれば冤罪もなくなるでしょうね。