〔弁護士 藤澤頼人〕

皆さま、「うまい棒」をご存じでしょうか?

いろいろな味付けをした麩菓子で、私の子供の頃から1本10円で売っていました。
さくさくとした食感と味のバリエーションからついつい何本も手が出てしまう定番の駄菓子です。

さて、もう既にご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、そのうまい棒が値上げされることになりました。
1本12円になるとのことですので、その値上げ率は20%になります。

ニュースによるとこれまた一度は口にされたことはあるだろうカップ麺の定番にして元祖のカップヌードルの5~12%の値上げも発表されました。

いずれもその値上げの理由は原材料費の高騰などが上げられています。
食糧自給率の低い日本のことですから、この原材料は輸入なのだと思います。
もし輸入だとすると、その値上げ分は日本ではなく、輸出国の手に入ることになるはずです。

つまり、お金を使えば巡り巡って自分の賃金として戻ってくる、ということが起こりにくいお金ということになります。
ということは、値上げ分の賃上げは期待できないということになるでしょうか。

私は経済のことはよく分かりませんが、どうもこれは良くないことのようだということはわかります。

政府には経済の専門家がいるはずなのに、なぜこういうことが起こることを防げないのでしょうか。

賃上げ税制というものがあります。
おおざっぱに言えば、賃金を上げた企業には税金の控除を認めます。というものです。

ただ、賃上げした分全額の税金を控除しましょうというのではないため、賃上げがあればそれなりに企業負担が生じます。
その負担があっても賃上げが出来るという企業であれば、もともときちんと生活できるだけの給料を支払っているのではないでしょうか。
そうすると、その賃上げ分は貯蓄に回ってしまうのではないでしょうか。

あれあれ、給付金を支給したくない理由にそんなものがあったような気がしますね。
世の中不思議なことだらけですね。