〔弁護士 北岡秀晃〕

1970年公開のソフィア・ローレン主演の映画「ひまわり」を覚えておられますか。

第2次世界大戦のソ連戦線に送られ、行方不明となった夫マルチェロ・マストロヤンニを探すため、ソフィア・ローレンは、ソ連に旅立ちます。
そして、夫が生きていることを信じて、かつてイタリア軍が戦闘したウクライナの町で必死に夫の行方を捜します。
ソフィア・ローレンは夫が生きていたことをつきとめますが、戦争で瀕死の重傷を負った彼を助けた若い女性と一緒に暮らしていたことを知り、失意のもとにイタリアに帰ります。
ヘンリー・マンシーニの音楽とともに、地平線の彼方まで広がるひまわり畑の風景が非常に印象的な哀しい名画でした。

戦争によって引き裂かれた2人。
戦争がいかに人々の人生を一変させ、もとにもどせない形で破壊するか。
半世紀前の映画ですが、今報道されるロシアのウクライナ侵攻による惨状をみると、いかに年月が経過しても、人間は同じ過ちを繰り返すのかと暗澹たる気持ちになります。

映画のロケ地となったひまわり畑は、ウクライナの首都キエフの500キロ南にあるヘルソン州にあったそうです。
州都ヘルソンは、ロシア軍が制圧し、その後ウクライナ軍の奪還作戦が行われていると報道されています。
あのひまわり畑は今どうなっているのでしょう。

ひまわりは、ウクライナを象徴する花ですが、弁護士記章のデザインともなっており、その意味は「正義と自由」とされています。
1日も早く、ウクライナの戦闘が終結し、正義が行われ、自由が保障されますように。