〔弁護士 北岡秀晃〕
7月初めに奥さんと2人で山形に行ってきました。
鳥海山の麓の豊かな伏流水や湿原、白神山地とはひと味違うブナ林と、月山の高山植物を専門ガイドとともにウォーキングしてめぐるツアーです。
日本列島各地は天気が崩れていましたが、東北地方の日本海側だけは幸いにも晴天で、傘要らず。
美しい庄内富士とも言われる鳥海山(標高2236メートル)の雄姿も月山も見ることができました。
特に月山(標高1984メートル)は、森敦が芥川賞をとった同名小説で知って以後、憧れの山でした。
その姿は、牛の背のようで、霧ヶ峰とかハワイのマウナケアのようなアスピーテ(楯状火山)と勉強した記憶があります。
現在ではもともとは成層火山ではないかとされているそうです。
頂上には、月読命(つきよみのみこと)を祀る月山神社があり、羽黒山、湯殿山と並ぶ「出羽三山」として修験の場となっています。
ちなみに、修験道では、羽黒山は太陽、月山は月、湯殿山は星にたとえられるとともに、それぞれ現在、過去、未来に見立てられ、生まれかわりの山とされています。
月光菩薩やセーラームーンじゃないけれど、「月」や「過去」という響きには誘われるものがあります。
その月山の8合目には弥陀ヶ原という湿原があり、非常に多くの種類の高山植物を散策しながら楽しむことができます。
私たちが行ったときも、専門ガイドの方が興奮するぐらい、いろんな花が可憐に咲いていました。
ニッコウキスゲ、トキソウ、チングルマやイワカガミ、コバイケイソウ、ハクサンフウロなどなど。
月山は雪が多く、7月1日に山開きとなるそうですが、雪解けの水辺に水芭蕉がきれいに咲いていたのには私も大いに興奮しました。
8合目から頂上までは3時間とのこと。
残念ながら私たちのツアーはバスで下山して、出羽三山神社へ向かいました。
またいつか来ることができるかな。
ちょうど参議院議員選挙のさなか、奈良では安倍元首相が銃撃され大騒ぎになっていました。
奥さんと新婚旅行に行ったときは、山陰線余部鉄橋の列車転落事故が発生し、結婚25年を記念してイタリア旅行に出かけたときは、帰国した翌日に東日本大震災が起こりました。
私たちの旅行と関連性はないと思いますが、不思議な巡り合わせです。
ともかく山と森、水と花など自然の豊かさを味わえる山形の旅でした。