〔弁護士 山﨑靖子〕

(その1)「MINAMATA-ミナマタ-」(https://longride.jp/minamata/) 

1956年(昭和31年)5月1日、水俣病が公式に確認されました。
この映画は、1971年から3年ほど水俣市に滞在して水俣病を撮影したアメリカの写真家ユージン・スミスを主役にした映画です。

フィクションと患者の映像を交えながら当時の水俣病の闘争が描かれて行きます。
暴力的弾圧、買収・・・、結構わかりやすい。

スミスはチッソ側から暴力を受け、重傷を負いながら、胎児性水俣病患者の智子さん(映画では「明子」さん)をお母さんが入浴させる写真を撮ります。有名な写真ですね。
その写真は、智子さんのご遺族とスミスの元妻アイリーンさんの話し合いにより、公開しないことになっていたようですが、映画では出てきます。
著作権を持っているアイリーンさんが「本物の写真を見せることが必要」と思ったようです。

スミスを演じるのは「パイレーツ・オブ・カリビアン」で有名なジョニー・デップですが、
そのイメージは全くありません。
他の俳優は9割以上が日本人で、舞台も9割以上が日本です。
でもこの映画はアメリカ映画です。日本が作るべき映画をアメリカが作った。
そのことも考えながら、是非観て下さい。

(その2)「イップ・マン(葉問)」シリーズ3部作

実在の人物をモデルにした映画です。
イップ・マンと聞いて、ああ、あの人、と言えるなら、かなりのカンフーファンでしょう。
ブルース・リーのお師匠さんです。
と言っても、ブルース・リー自体、50年くらい前に亡くなっていますから、知らない人も多いでしょうね。

そういうことは置いておいて、純粋に楽しみましょう。
お金持ちで詠春拳の達人だったイップ・マンは中国の仏山で家族と平和に暮らしていましたが、日中戦争が起きて家が日本軍に接収されてからは貧乏一直線。
戦後、香港に移住した後は武術道場を開いて生計を立てようとしますが、生活力がないせいか貧乏ぐらし。
それでも武術は一流なので、挑んでくる相手は次々現れ、さらには街を牛耳ろうとする外国人とかとも対戦して、街や家族を守ります。

愛妻家で、対戦よりも末期癌の奥さんとのダンスを優先する姿は涙を誘います。
どんなに格闘しても息を切らさない、殴り合っても流血があまりない、という不思議もあります。 
Netflixで観られます。疲れた時に観るとスカッとしますよ。