〔北岡秀晃〕

イギリスは日本と同じ島国ですが、人口は約6728万人と日本の54%、国土面積は日本の約3分の2です。グレートブリテン島には、日本のような急峻な山岳地帯はなく、低い山脈が走る丘陵地帯が広がっています。
私たちは、スコットランド(エジンバラ)から、イングランドに入り、少しウエールズ北部(コンウィ)を経てコッツウォルズまでバスで移動しましたが、車窓から見える風景は、なだらかな丘陵の緑の放牧地が広がり、羊や牛がのんびりと牧草を食べているという光景でした。北海道でも牧草地はありますが、ジャガイモやトウモロコシなどの畑が必ずありますが、ほとんど畑を目にすることがありませんでした。
調べてみると、日本の農用地は国土面積のわずかに12.3%であるのに対し、イギリスでは国土の70%が農用地で、その半分近くが採草・放牧地となっています。また、イングランドの南西部が穀倉地帯となっており、小麦や大麦などが栽培されているそうです。
コッツウォルズ(Cotswolds)も、「羊のいる丘」を意味する言葉が語源になっているそうです。いずれにしても、イギリスの農村地帯の風景は素晴らしいです。

イギリスの素晴らしさと言えば、大英博物館とナショナルギャラリーでしょう。大英博物館は、ガイドさんの案内で回りました。ロゼッタストーン、パルテノン神殿の彫刻、アッシリアの守護獣神像、モアイ像やハリーポッターと賢者の石でレプリカが使われたというチェス駒、そしてミイラ。あまりにもいろんなものがいっぱいの上に、観光客が多く、室内も蒸し暑くて、正直とても疲れました。この大英博物館は、入場無料ですし、写真撮影もビデオ、フラッシュを使用しなければOKです。世界のいろんなところから力で集めてきたことを考えると、それで良いのかも知れません。
ナショナルギャラリーは、1日自由行動の日に、予めネットで予約をして午前10時の開館時間に行きました。こちらは、開館直後で比較的空いているし、涼しく快適でした。ナショナルギャラリーは、ロンドンの実業家のコレクションを政府が買い取り設立されました。トラファルガー広場に面した現在の建物が開館したのは1838年のことで、13世紀から20世紀前半までのヨーロッパの絵画が2300点収蔵されていると言われます。

2階へ進むと、まず、レオナルド・ダ・ビンチの「岩窟の聖母」が迎えてくれます。その後、多数の部屋ごとに中世の宗教画、ルネサンスを経て、フェルメール、レンブラント、ゴッホ、モネなど、そうそうたる画家の絵がこれでもかというぐらいに展示されています。もちろんガラス越しではありませんし、柵もありません。写真撮影もビデオ、フラッシュ以外は自由です。しかも、すべての所蔵品が国民の所有物(パブリック・コレクション)とされており、入場は外国人も含めてすべて無料です。休館日もクリスマスとニューイヤー以外にはないそうです。
日本の美術館とはスケールが違いますし、絵画と見る人との距離が圧倒的に違います。日本の国立美術館もこんな風にならないものかと思いますが、これも大英帝国の風格でしょうか。


ナショナルギャラリーには、フェルメールの作品2点「ヴァージナルの前に立つ女」と「ヴァージナルの前に座る女」が、同じオランダ画家の絵とともにさりげなく展示されています。ちなみに、今回は訪れた時期が良く、バッキンガム宮殿に入ることができましたが、宮殿内のキングスギャラリーで、もう一枚、フェルメールの作品「音楽の稽古」を見ることができました(こちらは写真撮影禁止でした。)。

